土木計算式

鉛直支持力機構

1. 鋼管

杭頭部に受けた鉛直荷重は、鋼管を通して羽根に伝達していきます。その際、鋼管外周面と地盤との摩擦力により周辺地盤へ伝達されます。従って、本工法の周面摩擦力の算出は、鋼管の外周径がそのまま設計径となります。この機構を成立させるための条件として、鋼管本体の材料から決まる圧縮性能を満たす必要があります。

2. 羽根

前述の鋼管に伝達された鉛直荷重は、羽根へ到達し、杭先端に取り付けられた底板面と、杭先端側面に取り付けられた羽根面での圧縮力により地盤に伝達します。従って、先端支持力の算出は、杭先端に取り付けられたらせん羽根の投影面積を設計断面積として行います。本工法は、未掘削地盤に杭本体をそのまま貫入させる工法であり、先端根固めや周辺固定液などのセメントミルクを一切使用しない工法であるため、杭先端地盤の地盤抵抗に大きく寄与されます。

支持地盤のN値の取り方、
周面摩擦考慮長さ、支持層根入れ長

支持地盤のN値の取り方、
                                周面摩擦考慮長さ、支持層根入れ長

図1

杭頭部に作用する荷重の
地盤への伝達機構

杭頭部に作用する荷重の地盤への伝達機構

図2

地盤から決まる杭の極限支持力

地盤から決まる杭の極限支持力Ru(kN)は、式1により算出する。

地盤から決まる杭の極限支持力
(1) 杭先端部で支持する極限支持力度qd
本工法の杭先端部で支持する極限支持力度qdは、表1より算出する。

表1 杭先端部で支持する
極限支持力度qdと適用杭径

杭先端部で支持する極限支持力度qdと適用杭径
  • ここに、N:杭先端地盤のN値。
  • ※道路橋示方書に準じて設計する場合のN値は、砂層は30≦N≦50、粘性土層は20≦N≦50とする。
(2) 杭周面に働く最大周面摩擦力度fi
杭周面に働く最大周面摩擦力度fiは、表2より算出する。

表2 杭周面に働く最大周面摩擦力度fi

杭周面に働く最大周面摩擦力度fi
  • N:杭周辺地盤のN値。但し、N≦2の軟弱層では周面摩擦を考慮しない。

引抜き性能機構

イーゼットでは、杭先端に取り付けられたらせん状の羽根により、ストレート杭とは異なる引抜き性状、および羽根部のアンカー効果を考慮した引抜き耐力を算定することが出来ます。このことは各種引抜き試験により確認されており、別記の計算式により計算が可能です。

引抜き抵抗メカニズム概念図と記号の説明

引抜き抵抗メカニズム概念図と記号の説明
  • Dw:羽根径 H:支持層への根入れ深さ 
    L:施工深さ

鉛直引抜き抵抗

極限引抜き抵抗力Puは、羽根のアンカー効果と支持層以外の周面摩擦力の和として算出する。ここで、先端地盤が砂層、砂層の場合は式3により、粘性土層の場合は式4により算出する。

鉛直引抜き抵抗

引抜き方向の地盤別採用可能N値と適用杭径

引抜き方向の地盤別採用可能N値と適用杭径
  • ※道路橋示方書に準じて設計する場合のN値は、砂層は30≦N≦50、粘性土層は20≦N≦50とする。

杭周面に働く最大周面摩擦力度fi

杭周面に働く最大周面摩擦力度fi
  • N:杭周辺地盤のN値。

内部摩擦角Φと引抜き係数βの関係

内部摩擦角Φと引抜き係数βの関係

水平抵抗機構

杭頭に作用する水平力は、地盤の水平抵抗により支持されます。水平力と地盤の抵抗により杭体に生じた曲げモーメントに対しては、鋼管の断面係数Zのみで抵抗するものとして設計します。また、水平方向地盤反力係数は、一般打込み杭工法と同様に、道路橋示方書?同解説 Ⅳ下部構造編に準じて算出できます。

地盤の水平抵抗機構

図3 地盤の水平抵抗機構

水平抵抗

水平抵抗の計算に用いる水平方向地盤反力係数Khは、式2により算出する。

水平方向地盤反力係数

表3Eoα

水平抵抗

杭の軸方向バネ定数

杭の軸方向バネ定数(以下Kv)は、杭頭での杭軸方向の変位を生じさせる杭軸方向力として定義される。この値は杭頭反力の算定で用いるほか、杭基礎の弾性沈下を推定するのに用いられる。実施した鉛直載荷試験のL/Dpと降伏荷重との関係から逆算によりαを算定し、以下の計算式にてイーゼットのバネ定数を算定する。

杭の軸方向バネ定数

適用範囲一覧

適用範囲一覧
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